論文一覧

Impact of Traction Direction in Traction-Assisted Gastric Endoscopic Submucosal Dissection (With Videos)

  • 著者:Mitsuru Nagata, Masayuki Namiki, Tomoaki Fujikawa, Hiromi Munakata
  • 掲載誌:Digestive Diseases and Sciences 2023 (Online ahead of print)
  • 形式:原著
  • DOI:https://doi.org/10.1007/s10620-023-07870-z
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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は体に負担の少ない治療法ですが、難易度が高く、長い時間がかかることや、穿孔(せんこう:胃や腸の壁に穴があくこと)などのリスクが高いことが問題とされています。これらの問題を解決するための方法として、トラクション(牽引)法と呼ばれる方法があります。トラクション法とは、主に特殊な処置具(トラクションデバイス)を用いて病変を牽引し、剥離面に適切なテンションを加えたり、術野を見えやすくしたりすることで、効率的かつ安全にESDを行うための方法です。広く普及している方法ですが、どのような方向に牽引するのが良いのかについては、まだ一定の見解はありません。
今回の研究は、単一方向性と多方向性のトラクションデバイスを比較し、最適な牽引方向について考察した内容になっています。

Optimal traction direction in traction-assisted gastric endoscopic submucosal dissection

  • 著者:Mitsuru Nagata
  • 掲載誌:World Journal of Gastrointestinal Endoscopy 2022; 14(11): 667-671
  • 形式:コメンタリー
  • DOI:https://dx.doi.org/10.4253/wjge.v14.i11.667
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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は体に負担の少ない治療法ですが、難易度が高く、長い時間がかかることや、穿孔(せんこう:胃や腸の壁に穴があくこと)などのリスクが高いことが問題とされています。これらの問題を解決するための方法として、トラクション(牽引)法と呼ばれる方法があります。
今回の論文は、胃がんのESDにおけるトラクション法に関する課題などを述べた内容となっています。

Tapered hood with wide holes in its sides for efficient air-bubble removal during underwater endoscopic submucosal dissection

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通常、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)はガスで膨らませた腸管の中で行われますが、近年、ガスの代わりに生理食塩水などの液体を用いる方法(Underwater ESD)の有用性が報告されています。我々は以前からこの方法の有用性を以下の論文で報告して参りました。
Nagata M. Usefulness of underwater endoscopic submucosal dissection in saline solution with a monopolar knife for colorectal tumors (with videos). Gastrointest Endosc. 2018;87:1345–1353.
Nagata M. Underwater endoscopic submucosal dissection in saline solution using a bent-type knife for duodenal tumor. VideoGIE. 2018;3:375–377.

Underwater ESDの欠点として、気泡による視野障害が挙げられます。今回の論文は、気泡による視野障害の改善を目指した処置具(フード)の構造に関するアイデアを述べた内容となっています(特許出願中)。

Advances in traction methods for endoscopic submucosal dissection: What is the best traction method and traction direction?

  • 筆頭著者:Mitsuru Nagata
  • 掲載誌:World Journal of Gastroenterology 2022; 28(1): 1-22
  • 形式:総説
  • DOI:https://dx.doi.org/10.3748/wjg.v28.i1.1
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※World Journal of Gastroenterology 2022; 28(1): 1-22 のFigure 3から引用

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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を安全、確実に行うための方法として、トラクション法と呼ばれるものがあります。本論文は、これまでのトラクション法に関する研究のまとめと、トラクションの方向がその効果に与える影響などを中心に考察した内容となっています。

Comparing a conventional and a spring-and-loop with clip traction method of endoscopic submucosal dissection for superficial gastric neoplasms: a randomized controlled trial(with videos)

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この論文では、胃がんの切除方法であるESDにかかる時間を短縮するための方法を述べています。従来のESDの方法と、S-Oクリップという処置具を用いた方法をランダム化比較試験で検討した結果、従来のESDの方法を用いた群ではESD施行時間(中央値) 52.6分だったのに対して、S-Oクリップ使用群では29.1分と、統計学的に有意に短縮しました。
ESDにかかる時間が短縮することで、患者様への負担を軽減することが出来ます。また、ESDの難易度が下がるため、穿孔などの合併症の予防の観点からも有用な方法と考えております。

Internal traction method using a spring-and-loop with clip (S–O clip) allows countertraction in gastric endoscopic submucosal dissection

  • 筆頭著者:Mitsuru Nagata (永田充)
  • 雑誌名:Surgical Endoscopy (Accepted: 22 April 2020)
  • 形式:原著
  • DOI:https://doi.org/10.1007/s00464-020-07590-9
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胃がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は一般的に時間がかかりますが、S-Oクリップというデバイスを利用することで時間を短縮出来ることを報告しました。また、S-Oクリップの胃ESDにおける使用法を標準化出来る可能性を示しました。

EMRにて切除し得たⅡa+Ⅱc様回腸腺腫(動画付き)

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回腸腺腫という非常に稀な腫瘍の症例の報告です。大腸内視鏡で回腸(小腸の一部)の末端を観察した際に、23mmと比較的大きな腺腫を発見し、EMR(内視鏡的粘膜切除術)で完全切除に成功しました。Ⅱa +Ⅱc様というのは腫瘍の肉眼形態を表す専門用語で、この肉眼形態の回腸腺腫は今回が初めての論文報告になります。

Modified attachment method using an S–O clip for gastric endoscopic submucosal dissection

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胃がんの内視鏡治療を安全かつ効率的に行うための工夫を発表しました。アメリカ消化器内視鏡学会公式ジャーナルVideoGIE 2019年4月号のEditor's choiceに選ばれました。

Underwater endoscopic submucosal dissection in saline solution using a bent-type knife for duodenal tumor

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十二指腸腫瘍に対する新しい内視鏡治療の方法(Underwater ESD)に関する論文です。この論文の中で、”Elongation of reach”という水中で得られる効果の提唱とESDに与える影響の考察、高周波装置の設定を工夫することでHook Knifeが水中で使用できることを初めて示しました(従来は水中での使用は困難と言われていました)。十二指腸腫瘍に対するESDは極めて困難とされており、施行している施設も限られていますが、今回発表した内容は困難局面を打開する一つの方法になり得ると考えています。

Usefulness of underwater endoscopic submucosal dissection in saline solution with a monopolar knife for colorectal tumors

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世界初のUnderwater ESDに関する原著論文です。目標としていた消化器内視鏡のトップジャーナル、Gastrointestinal Endoscopy(GIE)に受理されました。

Endoscopedia(The official blog of GIE and VideoGIE)
https://endoscopedia.com/2018/05/17/nagata/
MAY 17, 2018

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Underwater ESD論文に関するまとめ記事です。

NBI拡大観察で優勢な組織型を推定し得た組織混在型早期胃癌の1例

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通常の内視鏡観察に加え、NBI拡大観察、超音波内視鏡を用いて適切な診断に至り、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)で治癒した胃がんの症例を報告しました。

Salvage ESDを施行した化学放射線治療後局所再発食道癌の1例

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抗がん剤治療、放射線治療が行われた後に再発した食道がんに対してESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行った症例報告です。放射線治療後に再発した食道がんに対するESDは、粘膜下層の線維化により難易度が高いとされていますが、様々な工夫をすることで穿孔などの合併症なく完全切除が可能でした。

全周性食道ESD後にステロイド局注・内服併用療法を施行した1例

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食道の全周に広がった食道がんに対してESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を施行した症例報告です。全周切除は難易度が高いですが、安全に行うための工夫を説明しました。また、全周切除後の狭窄予防法に関する工夫についても説明しています。

ダブルバルーン内視鏡にて止血し得た小腸Dieulafoy潰瘍の1例

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小腸Dieulafoy潰瘍からの出血は診断が難しく、内視鏡での止血に成功した症例は稀であり、塞栓術や外科手術になることがほとんどです。本症例は来院当日に緊急で小腸内視鏡(ダブルバルーン内視鏡)を行い、内視鏡での止血に成功しました。
医学中央雑誌での検索によると、内視鏡で小腸Dieulafoy潰瘍からの止血に成功したのは、これが5例目の論文報告です。

Risk of stricture after endoscopic submucosal dissection for large rectal neoplasms

  • 著者:Yoshiko Ohara, Takashi Toyonaga, Shinwa Tanaka, Tsukasa Ishida, Namiko Hoshi, Tetsuya Yoshizaki, Fumiaki Kawara, Ka Luen Lui, Kanokkan Tepmalai, Alisara Damrongmanee, Mitsuru Nagata, Yoshinori Morita, Eiji Umegaki, Takeshi Azuma
  • 雑誌名:Endoscopy 2016; 48: 62-70.
  • 形式:原著

表在型食道癌に対するESD

  • 著者:永田充、小山恒男
  • 雑誌名:成人病と生活習慣病 2015; 45: 283-290
  • 形式:総説

必修!大腸ESD 「病変のサイズと部位に応じた基本的治療戦略」

  • 著者:豊永高史、西野栄世、横崎宏、坂井文、吉崎哲也、河原史朗、小畑大輔、田中心和、石田司、中村彰宏、永田充、馬場慎一、長谷川晶子、滝原浩守、中野利宏、井上太郎、尾野亘、森田圭紀、東健
  • 雑誌名:消化器内視鏡 2013; 25: 433-443
  • 形式:総説
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