痛みセンター(ペインクリニック)での主な神経ブロック治療

痛みセンター(ペインクリニック)では、患者さんの痛みに応じて神経ブロック治療を選択していきます。神経ブロックの種類は下記以外にも約30種類あります。下記は主な神経ブロック治療についてです。

硬膜外ブロック

硬膜外ブロックとは、背骨(脊柱)の中を走っている脊髄神経の外側にある硬膜と骨に囲まれたところにある硬膜外腔という部位に局所麻酔薬を注入することで、頸部(首)以下の痛みを和らげる治療です。
硬膜外空に注入された局所麻酔薬は硬膜を通して間接的に脊髄神経に浸潤していくことで、痛みを和らげ、血流を改善する効果を発揮します。硬膜外ブロックは、上肢・胸背部、腹部、腰部、下肢とほとんどの部位の痛みに対して用いることができる治療法であり、多くの疾患が対象となります。

腰部・胸部の硬膜外ブロックでは、痛みのある側を下にして横向きになり、両手で膝を抱え込むような姿勢で行ないます。背中を丸めることにより、骨と骨の間が広がり、ブロックが行ないやすくなります。頸部の硬膜外ブロックは、安全のため、透視下にうつ伏せで造影剤で確認して行ないます。頸部硬膜外ブロックは手術室で行ないます。

星状神経節ブロック

星状神経節ブロックとは、頸部(首)にある交感神経を局所麻酔薬によりブロックすることにより、血流を改善して痛みを和らげる治療法です。星状神経節ブロックは、頭部・頸部・背部・上肢の痛みに対して行なわれます。痛みがあると、痛みのある部位とその周辺の組織で交感神経が緊張して血流が悪くなり、痛みの悪循環が出来てしまいます。この痛みの悪循環が痛みの持続の原因となりますので、星状神経節ブロックで交感神経をブロックし、痛みの悪循環を改善するための血流改善と痛みの原因となる物質の洗い流し効果によって痛みが軽減します。

仰向けで枕を外して行ないます。もし、後屈が難しい場合は低いを使用して行ないます。

神経根ブロック・神経根パルス療法

神経根ブロックとは、痛みの原因と考えられる各々の神経の根元(脊髄から分かれたところ)に、局所麻酔薬とステロイド剤を注入し痛みを和らげる治療です。つまり、診断と治療を同時に行う治療になります。神経に針を刺すので、痛みを伴います。

また、神経根パルスは、神経根ブロックで一時的な効果の場合、42℃の低温で6分間、神経にパルス波を当てることで痛みを和らげる治療です。

これらの神経ブロック治療は、造影剤を使用しますので造影剤アレルギーの方は事前に教えてください。

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